日本一の裏切り者 小早川秀秋
秀吉の正妻・北政所の兄である木下家定(いえさだ)の五男として生まれた秀秋。

赤子の頃、後継ぎのいない秀吉の養子になります。

後継ぎ候補として育てられますが、わがままで勉強嫌いでした。

そして淀君が秀頼を出産したため「邪魔扱い」されるように。

その後、後継ぎのいない小早川隆景のもとへ養子に行かされることに。

この時秀秋は12歳。ていよく追い出された形となります。

秀秋は、それまで天下人・秀吉の後継ぎとして育てられたため、臣下の家に養子に行かされたことにより、不信感を抱きつつ成長していきます。

その後、朝鮮出兵の際、明軍に囲まれてしまった加藤清正を助けるべく奮闘。

この時、総大将でありながら先頭に立ったため、秀吉から怒りを買ってしまい、国替えを命じられます。

褒められると思っていた秀秋は大ショック。

これを助けたのが家康だったのです。

秀秋は家康に感謝しまくりました。


関ヶ原の戦いの時は、いつまでも西軍・東軍のどちらにつこうか悩んでいました。

合戦が始まっても動かない秀秋に、とうとう家康は発砲したのです。

これに驚いた秀秋は、寝返ることを決意

大谷吉継を攻め込み、壊滅させます。

こうして秀秋の裏切りにより、東軍は勝利。

が、秀秋は「裏切り者」の汚名を着せられ、病気がちに。

ノイローゼ状態となり、とうとう21歳の若さで死んでしまうのでした。





                  小早川秀秋さんへインタビュー
ハガクレ 今回は日本一の裏切り者!小早川秀秋さんに来ていただきました!こんにちはぁー!

秀秋 ちょっとさぁ、その言い方やめてくんない?ボクだって色々あるんだからさぁ

ハガクレ え?だって日本一の裏切り者って、秀秋さんのキャッチフレーズですよね?

秀秋 なんだよそれぇー!そんなこと言うと、ボク帰るよ?ボクだって・・・ボクだって・・・(涙)

ハガクレ あ、す・すみません!話しを聞かせてください!えーっと、秀秋さんはあの豊臣秀吉さんの養子なんですよね?

秀秋 うん?そっそうだよ!ボクのね、お父さんが北政所のお兄さんだからね、小さい頃養子になったんだ。

お義父さんね、すごくいい人だったよ。可愛がってくれたし、欲しい物はね、なーんでも買ってくれたんだ!

ボク、嬉しかったー。養子になって良かったってずっと思ってたんだ。だけど・・・

ハガクレ だけど?

秀秋 だけどね、邪魔が入ったんだ。淀君ってヤツがお義父さんの子供産んだんだ!

ハガクレ 秀頼さんのことですね?

秀秋 そう。それからね、ボクが何かやると、お義父さんにすっごく怒られるようになった。

お義父さんひどいよね。

お義母さん(北政所)がいつもかばってくれたけど、とうとう小早川家に養子に行かされるってことになったんだ。

ハガクレ でも小早川家も大きな家だからいいじゃないですか?

秀秋 良くないよ!!!!ボク、天下人の後継ぎだったんだよ!それがさ、家来の家に養子に出されるなんて。

ひどいよ!

ハガクレ まぁまぁ落ち着いてください

秀秋 ゼェゼェ。だっ、だからね、ボク、お義父さんが朝鮮出兵を命じたとき、絶対手柄取ってやるって燃えたんだ

ハガクレ で、手柄は取れたんですか?

秀秋 うん!ボクね、いっぱい首とったんだ。

なのにさ、お義父さん「軽々しく敵陣に突っ込むな!野蛮と勇猛を吐き違えとる!」とか、難しいこと言ってボクのこと怒ったんだ。

絶対おかしいよね!?

そしたらさ、清正とか正則とかがね「三成がデタラメの報告を秀吉殿にした」って教えてくれたんだ。

ハガクレ 石田三成さんですか?

秀秋 そっ。ボク、あいつだーーーーいっきらい!みんな嫌ってたよ!あいつのこと

ハガクレ なるほどねー。で、秀吉さんに怒られて大丈夫だったんですか?

秀秋 それがね、あの後すぐにね、お義父さんが病気になって死んじゃったんだ。

ボクどうなるんだろ?って思ってたらね、家康おじさんが「心配するな。ワシにまかせろ」って言ってくれたんだ。

家康おじさんってね、お義父さんの家来だったんだけど、すごい力を持ってる人なんだよ。知ってる?

ハガクレ そりゃー知ってますよ。秀吉さんが死んだ後、権力握りまくりましたからね

秀秋 利家おじさん(前田利家)はね、家康おじさんのことすごく怒ってたけど、ボク、イイヒトだと思ったよ。

そのうちに、利家おじさんも死んじゃって、家康おじさんとボクの大嫌いな三成がケンカしだしたんだ。

ボクね、関わりたくなかったんだ。けんかキライなんだ。

ハガクレ そうなんですか

秀秋 そっ。だって、ぶたれたら痛いでしょぉ?

でね、家康おじさんと三成のケンカがヒートアップしてきてね、ボク、両方から「味方になれ」って誘われたんだ。

ハガクレ どっちについたんですか?

秀秋 それがね、ボク最初は家康おじさんの味方しーよおって思ってたんだけど、三成がね「もし勝ったら、秀秋殿を関白にしてあげます」って言うんだよー。関白だよ?すごくない?

ボク、自分の関白姿を想像しちゃってすっごく悩んじゃった。

決められなくって、ずっと仮病使ってたんだ。頭いいでしょ?

ハガクレ 頭、悪くないですか?

秀秋 なんだとぉ!さっきから、君って失礼だよね!ボクに失礼なこと言ったら、帰るよ?いいの!?

ハガクレ はぁ・・・スミマセンねー。じゃあ話し戻していいですか?

で?結局東軍(家康)と西軍(三成)どっちについたんです?
秀秋 それがね、小早川の本家は毛利家っていうんだけど、その毛利が西軍の総大将になっちゃったんだ。

ボク、えーーーーって感じだった。

しょーがないから、ボクね家康おじさんに「ボク、ほんとはそっちがいいんだけど、なぜか西軍になっちゃった。ごめんなさい」ってお手紙書いたんだ。

だけど、家康おじさんから返事が来なくって、どぉしよーーって焦っちゃったんだよね

ハガクレ なるほど、そうだったんですか

秀秋 そしてね、関ヶ原の合戦の当日になったんだけど、ボク、だまーーーって兵を動かさなかったんだ。

三成と家康おじさんの両方から「早く動け!」って使者が何度もやってきたんだけど、ボク、決められなくって。

だって、関白もおいしいでしょ?

そしたらね、家康おじさんが怒って、ボクに向かって大砲を撃ったんだ!

ボクびっくりしちゃって、思わずね、すぐそこで戦ってる西軍の「大谷吉継をやっつけろー!」って口走っちゃった

ハガクレ おっ!裏切りの瞬間ですねっ

秀秋 だってボク、怖かったんだよぉ?思わず言っちゃったんだ。

でもね、ボクのおかげで東軍は勝てたんだよ。えへん

ハガクレ でも裏切りですよ?裏切り?秀吉さんに世話になったんでしょ?

秀秋 それは言わないで!ボクだって色々あるんだからっ。

でもボクね、家康おじさんにすっごい褒められたんだから!

ハガクレへーーーーー。それは良かったですね

秀秋 でもね、その後三成が捕らえられたんだ。

そんときにね、三成がボクに向かって「この裏切り者め!」って口から泡飛ばして怒鳴ったんだ。

ボク、すっごく怖かった。

それからね、まわりの人たちがボクのこと「ダメ男」とか「裏切り男」とか悪口ばっか言うから、病気になっちゃったんだよぉ。

ハガクレ 自業自得じゃないですか?

秀秋 なんでだよぉー。ボク、デリケートだから、悪口言われたら胃が痛いんだから!

それに夢の中にまで三成のあの時の怖い顔が出てくるんだよぉー。

ボク、ノイローゼになって死んじゃったんだからっ!

ハガクレ ほぉー!死んじゃったんですか!

秀秋 そうだよ!ボクって可哀相だよ!

今だって、あの世で三成とかに会わないようにコソコソしてなきゃなんないんだから!疲れるんだからっ!